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2022 Seminar report|LINE株式会社 青田努氏登壇!「人材開発担当者の「3大葛藤」を乗り越える」

オピニオンリーダーコラム

2023/03/27

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2022 Seminar report|LINE株式会社 青田努氏登壇!「人材開発担当者の「3大葛藤」を乗り越える」

例年ご好評いただいている『新入社員育成フォーラム』は、2022年7月13日(水)にDAY2が終了し、今年も盛況のうちに幕を閉じました。第一部は有識者によるトレンド講演として、LINE株式会社のPeople Experience Designerである青田努氏から「人材開発担当者の3大葛藤を乗り越える」と題し、お話を頂きました。

新入社員の育成を担う、人材開発担当者自身が抱える葛藤にフォーカスし、LINE株式会社のPeople Experience Designerである青田努氏をお迎えしてご講演をいただきました。人材開発担当者が抱える葛藤とは?どう葛藤を乗り越えればよいのか?本レポートでは、当日の様子として青田氏のご講演の一部をお届けします。

目次

    トレンド講演「人材開発担当者の「3大葛藤」を乗り越える」

    本日のテーマは、人材開発担当者の「3大葛藤」を乗り越える、とさせて頂きました。人材開発の業務を行うなかで私自身も悩むことが多いのですが、本日は皆さんのお悩みの助けになるような、少しでも前進できるようなお話ができればと思います。

    本日は3つの葛藤を取り上げてお話したいと思います。


    conflict 01
    人材開発について経営陣は言いたい放題で議論がなかなか収束してくれない

    企業においては、人材育成に関して誰でも一家言あるのではないでしょうか。誰もが育てられた経験、育てた経験をもっていますので、採用や人材育成、人事領域に関しては特別な資格や経験が無くとも何かを言えてしまうという事があります。ですから、経営陣にたいして持論もデータもなしに⾶び込み、お伺いを⽴ててまとめようとしたり、⼈材開発担当者として腹を決めずに意⾒を収束させようとしても難しいのは当然です。

    その前提の上で、経営陣を動かしていくには次の3つのアプローチが必要だと思います。まずは頭(データ・知見)で理解してもらい、心(信頼・影響力)を動かし、腹(覚悟・応援)を決めてもらう、という3つになります。1つずつご説明していきましょう。

    <頭(データ・知見)とは>

    基本的には、as-is(現在地点)とto-be(目的地)のギャップを埋めるのが、人材開発の諸施策となります。

    まず大切なのはas-is(現在地点)です。ここは経営陣から見えていない部分が多いはずです。データや実際に起きていること、現場や当人の声などです。ですからas-is(現在地点)は経営陣が見えていないものを提供しないと、効果的な施策として着地しづらいと考えます。

    to-be(目的地)は経営陣との合意を得られれば良いかと思います。to-be(目的地)に関しては、獲得したい組織能力が明確にできていれば自ずと見えてくるはずです。獲得したい組織能力は、事業領域と事業特性とそれを踏まえたキーとなる組織能力を考え、人事戦略と人事施策へ結びつけていきます。求める組織像がみえてくると、求める人材像もみえてきます。事業と人を連動させるという考え方が、経営と話をする上では重要です。

    <心(信頼・影響力)とは>

    人材開発担当者としての信頼獲得をいかに行っていくのかというお話です。

    特に「リーダーとしての影響力をもたらす源泉」が重要でして、何か企画を通したい、新しいことを始めたいという時、その時点においては(役職によらず)少なくとも何らかの形でリーダーであるはずです。リーダーとして周囲から信頼を得て巻き込む際に重要なのは「人間性」「一貫性」「真正性」です。ただし、信頼というのは日常の積み重ねですよね。ですから今すぐ何かをする必要があるという時は、既に信頼を得ている人に協力を仰ぎ、影響力をお借りするのも一つのやり方です。

    <腹(覚悟・応援)とは>

    経営陣に腹を決めてもらうには、まず人材開発担当者が先に腹を決める必要があります。

    人材開発の難しさの1つは、人の成長が長期にわたるテーマという点です。事業の成長スピードと人の成長スピードは必ずしもイコールではありません。そうなると人材開発の領域は「何が正解か」が分かりづらいですよね。ですから経営陣に味方になってもらう事が重要になります。そのためには、人材開発担当者が経営陣に提言できるまで考え抜く、自らが一番考えている人になるということが必要です。

     

    conflict 02
    対象者が自分の成長に対する関心が低く、誰のために働いているのか見えづらくなる

    「原動力とトリガー」というお話と「Will/Can/Mustの順番」というお話をします。

    まず「原動力とトリガー」ですが、若手の時期は成長していないことが問題ではなく、意欲的に取組めているかどうかが問題となります。成長は後からついてきます。意欲とはつまりモチベーションですが、人によってモチベーションは異なるので、上司と部下のあいだで共通認識がもてていることが大切です。また取組むにあたり、人が動くサイクルには「ネガティブver.」「ポジティブver.」の両方があるかと思います。

    「ネガティブver.」とは、心理的攻撃やルール・強制、〆切、監視やチェック、マイクロマネジメント、詰める、ネガティブフィードバック、ペナルティなどを基に動いていくという意味です。もちろん全ての場面でネガティブver.がNGというわけではなく、必要な時もあるかと思います。しかしネガティブver.が続くと、自発性・自律性・創造性が失われる、マネジメントコストがかかり続ける、離職リスクが高まるということにつながりかねません。

    反対に「ポジティブver.」は、「やりたい、やってみよう」「これがあるから頑張れる!続けられる!」「次もやりたい!もっとやりたい!」というサイクルを本人が回せる状態です。このサイクルを自分で回せる人もいれば、他者のサポートがあって回せる人もいるかと思います。個々人の原動力は異なるので、「最近の若手は」と一般化するのではなく、「〇〇さん」は、とまずはメンバーの原動力を上司や先輩が理解・把握することが大切です。

    「Will/Can/Mustの順番」は、Will→Can→Mustの順番で描ける人もいれば、Must→Can→WIillという順番で発展していく人もいるよ、というお話です。

     

    conflict 03
    そもそも自分は人材開発担当者として、どのような介在価値を発揮していけばよいのか分からない

    介在価値を発揮するには、「自分自身が学びましょう」の一言に尽きると思います。

    自分自身が学んでいないと、例えば研修会社に発注をした時も、良いのか悪いのか品質管理ができないですよね。学ぶにあたっては「経験学習モデル」が重要です。人材開発担当者であればご存じかと思いますが、まずやってみる→ふりかえる→まなびとる→次はこうする、というサイクルを回すのが経験学習モデルです。

    人材開発担当者のサイクルを例として挙げると…

    まずやってみる
    ・企画・設計やオペレーションを推進する。
    ・具体的に何を体験したか、定期的に書き出して整理する。

    ふりかえる
    ・振り返り、良かったこと・悪かったこと、その時々に感じたこと、狙いとのギャップなどを書き出して整理していく。
    ・書き出した内容に対して何故なのか?とその背景にある原因や理由を探っていく。

    まなびとる
    ・成功体験を応⽤できるよう、失敗体験は克服できるように、持論化(マイセオリー化)する。
    ・良かった点や改善が必要な項⽬を⼀度抽象化し、他の場面でも、もしくは⾃分でなくとも活用できるよう体系的に整える。

    つぎはこうする
    ・自ら仮説をもって持論(マイセオリー)をそのほかの場面でも試してみる。

    また、社内で有益なフィードバックが得られづらいという場合は、社外メンターや勉強会を活用してみましょう。

    本日のお話は以上となります。
    最後に、やはり人材開発担当者はまず自分自身が学ぶ存在になる、ということが大切だと思います。皆さんにとってはすでに実行している事もあったかと思いますが、少しでも資するものがあれば幸いです。ご清聴頂きありがとうございました。

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