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2021 Seminar report|『図解 人材マネジメント入門』著者・ 坪谷邦生氏と考える、モデルなき時代の若手の未来」

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2021/03/01

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2021 Seminar report|『図解 人材マネジメント入門』著者・ 坪谷邦生氏と考える、モデルなき時代の若手の未来」

2021年2月18日(木)、『図解 人材マネジメント入門 人事の基礎をゼロからおさえておきたい人のための「理論と実践」100のツボ』の著者・坪谷邦生氏をゲストに迎え、日本企業における若手社員のキャリア開発をテーマにオンラインセミナーを開催しました。
当日は本書の第10章「働く人」の中から4つの問いを取り上げ、参加者の意見を募りながら、坪谷氏の見解を述べる形で進行しました。リモート環境が急速に進み、自律的なキャリア形成への転換が叫ばれている昨今、企業の実態はどうなのか、人事担当者としての本音が語られる場にもなりました。本レポートではその一部をご紹介します。

目次

    基調講演「モデルなき時代の若手の未来」

    坪谷邦生氏による講演の要約

    セミナーで取り上げたテーマ
    1. 働く人のキャリアは誰が考えるべきか?
    2. 自分のキャリアをどう描いていけばいいか?
    3. プロフェッショナルとは何か?
    4. 日本企業でプロフェッショナルになるには?

    ■働く人のキャリアは誰が考えるべきか?

    坪谷氏からの「働く人のキャリアは誰が考えるべきか?」という最初の問いに対し、「本人が決めるべき」という参加者の回答が約6割を占め、坪谷氏からも「かつては会社主体だったが働く人主体へ変化している」という見解が示されました。しかし「いまの実態はどうなのか」という問いに対しては「会社主体でキャリアを考えている」という答えが全体の9割を超えており、多くの企業が理想と現実の狭間で揺れているという実情が浮き彫りになりました。
    キャリアの決定権をどれだけ個人に委ねているかを見分ける分岐点の1つに、「異動希望がどれくらい通るか」という見方があります。参加者の中には、社内FA(フリーエージェント)制度の導入などを進めている企業もありましたが、実際には人事や経営側が異動の権限を完全に手放すことは非常に難しいといった素直な声も聞かれました。(坪谷邦生『図解人材マネジメント入門』より)

    ■自分のキャリアをどう描いていけばいいか?

    参加者ご自身の事例として「キャリアプランを描いて、定期的に見直している」「どんなチャンスがあるか分からないので、興味のあることにはチャレンジしている」など、具体的に実践している習慣が共有されました。
    坪谷氏は「歩いてきた道を振り返り、仲間の力を借りてWill・Can・Mustの重なりをデザインすることが重要」と回答した上で、この3つの重なりをデザインする為の2つのポイントを解説しました。
    1つ目は、これまで歩いてきた道のりを振り返り、「過去の自分」からヒントを得ること。
    2つ目は、「仲間の力を借りること」。
    特に後者は、自分では気づかなかった強みや、言葉に出来ていなかった可能性に気付くためにはとても有効だと、自らの経験談とともにアドバイスを行いました。

    さらに坪谷氏は最近のキャリア研修について、「プログラムの内容がWillに寄りすぎていて、肝心なMustの視点が欠けているケースも多い。本来は、その重なりをデザインすることが目的なので、しっかりと会社や上司の期待としてMustと向き合う時間を持つべきだ」と話しました。「会社と個人のWillがかけ離れているかもしれないという懸念もあるかもしれないが、表面上ごまかしながら会社に居続けることが本当に双方にとって幸せなのか?そもそも本来入社するときには重なりあっていたはず。もしかけ離れているのなら、会社はその事実としっかりと向き合うべきなのではないか」と、会社と個人のWillを合わせることの重要性についても語りました。

    (坪谷邦生『図解人材マネジメント入門』より)

    ■日本企業でプロフェッショナルになるには?

    この質問は参加者からの回答が最も少なく、日本企業におけるプロフェッショナル育成の難しさを表出する問いとなりました。
    坪谷氏は大久保幸夫『日本型キャリアデザインの方法』をもとに日本企業でプロフェッショナルへ成長していくためには、「筏(いかだ)下りで基礎力を身に付けたのち、どの山へ登るのか腹を決めることが重要」と述べ、プロフェッショナルを目指す道のりを大きく2つの時期に分けて説明しました。まず「筏下り期」と称される20代は、本当に進むべき道を模索しながらも、目の前の仕事に全力投球して基礎力を磨くこと。その期間を乗り越えて初めて「山登り期」に入っていくと解説しました。「山登り期」は登る山をしっかり「腹決め」し、専門性を磨いていく段階を示しています。
    最初は異動などの流れに乗って様々な経験を積み重ねながら、30代半ばまでにどの分野を専門領域にするか決めていくことが、プロフェッショナルの方向へ舵を取る上でとても大事になってくると自らの見解を述べました。

    最後に、坪谷氏から参加者へのアドバイスとして、「モデルなき時代にキャリアを築くために」と題して、以下のようなメッセージが贈られました。

    「まずは小さくとも自らの意志のタネを持ち、それを元に仕事を進めてみよう」
    自律したプロフェッショナルは他者に与えられずとも、自分の中に基準、つまり持論をもっています。それを実践で磨き続けているのです。実践した結果、成功もすれば失敗もすると思いますが、大切なのはそれらを振り返り「内省して学びに変える」ことです。この実践と内省から得られた学びこそが「意志」を育み、これを続けることでタネは発芽して「持論」になるのだと信じています。まずは自分の意志のタネを見つけてみることが大事です。「人事」とは「人を生かして事をなす」と書きます。まずは人事担当の皆さんが、自分自身を生かすところからはじめてみてはいかがでしょうか。

    [スピーカー]株式会社壺中天 代表取締役 坪谷邦生(つぼたに くにお)

    株式会社壺中天 代表取締役。株式会社アカツキ人材マネジメントパートナー。株式会社ウィル・シード人事顧問。中小企業診断士。Certified ScrumMaster認定スクラムマスター。主な著作『人材マネジメントの壺』(2018)、『図解 人材マネジメント入門』(2020)など。

    [セミナー後記]ウィル・シードセミナー事務局

    今回のセミナーでは、「プロフェッショナルへの転換」が1つのキーワードとなりました。実際にジョブ型雇用などの流れを受けて、プロとして意思を固めなければいけないタイミングが早まっていることは疑いようのない事実だと思います。
    その中でも我々は、特に20代社員のキャリア形成の難しさを感じています。その理由として、現在の20代社員の多くは、「組織貢献」「キャリア自律」「変化適応」という、ベクトルの異なる3つの期待に応えていかないといけないからです。
    これらの期待を背負いながらも、30代に入った段階で「何がしたい?」に応えられる状態を目指すために、限られた時間の中でどう意図的にキャリア開発のプロセスを設計していくのか。今後も継続して、多くの担当者の皆様と議論していければと思います。

     

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