コラム
2022 Seminar report|若者文化評論家 原田曜平氏登壇!「Z世代に私たちはどう向き合えばよいのか?~時代背景から捉える「イマドキ」新入社員の価値観と育成のヒント」
オピニオンリーダーコラム
2023/03/27
例年ご好評いただいている『新入社員育成フォーラム』は、2022年6月24日(金)にDAY1が終了しました。第一部は有識者によるトレンド講演として、芝浦工業大学教授で若者文化評論家でもある原田曜平氏をお迎えし、「Z世代に私たちはどう向き合えばよいのか?~時代背景から捉える「イマドキ」新入社員の価値観と育成のヒント」と題してZ世代の育成におけるヒントをお伝えいただきました。
新入社員育成の最前線を考えるヒントとして、芝浦工業大学教授で若者文化評論家でもある原田曜平氏をお迎えしました。育ってきた社会や経済がZ世代にどのような影響をあたえているのか?育成の場においてどのようにZ世代と関わればいいのか?本レポートでは、当日の様子として原田氏のご講演の一部をお届けします。
目次
トレンド講演「Z世代に私たちはどう向き合えばよいのか?~時代背景から捉える「イマドキ」新入社員の価値観と育成のヒント」
<日本における世代論>
Z世代の前に、まずは日本における各世代論のお話をします。日本の各世代は、時代の変化とともに緩やかに価値観が変わっていくことが特徴です。特長と変化の流れをおさえることで、理解がしやすくなります。
【各世代の特徴と流れ】
●団塊の世代
第一次ベビーブーマーとも呼ばれる。後期高齢者になっている世代
●ポパイ・JJ世代
しらけ世代。政治に対する意識が高かった団塊の世代に対して、「楽しければいいじゃない」という価値観をもっている。
●新人類世代:「新しい若者像(=生意気)」を提示した。
●バブル世代:新人類に近い。就職が良い時代。
●団塊ジュニア世代
就職氷河期、ロストジェネレーション。多くの人が就活に苦しんだが、IT長者になったような人もいる。引きこもりという事が言われ始めた世代。第二次ベビーブーマー。
●ポスト団塊ジュニア世代
団塊世代の子供世代。思春期までは日本は成長期で競争力が高い世代。
●ゆとり世代
さとり世代とも。若者の〇〇離れと言われ始めた世代(あたかも悟っているかのような世代)。
●脱ゆとり世代
ゆとり教育によって学力が下がったとされる前世代に対して、ゆとり教育が終了してからの世代。Z世代はほぼこの世代になる。
<Z世代とは?>
「Z世代」とは、アメリカの世代区分であるGeneration Z(1990年代後半から2010年代にかけて生まれた世代)を指しています。日本で言うと「脱ゆとり世代」とほぼ同世代であるため、ゆとり世代よりも下の世代を指すことが多いです。アメリカは移民も含めたZ世代の人口が多く、Z世代に注目されると商品やサービスの売上があがるということで、投資家や企業から注目を集めています(Z世代が人口に占める割合を考慮すると、日本を含む東アジアではやや状況が異なります)。つまり、Z世代にウケる商品やサービス展開ができると、海外市場に進出しやすいとも言えます。
Z世代と脱ゆとり世代は、グローバル化の影響で価値観がとても近しいと言われています。
<日本におけるZ世代の特長と、企業が取り組むべきこと>
少子化が進行しているなかで学校、塾、企業などすべての段階で引く手あまたの状態で育ってきた日本におけるZ世代=脱ゆとり世代の特長として挙げられるのが、発信型のSNSに慣れているため自分からの発信欲が強いこと、メルカリで消費を行うなど消費意欲は意外に高いこと、海外ほどはSDGsへの意識が高くはない(SDGsに取り組んでいるか否かが選択の大きな基準にはならない)、などがあると思います。また、とある調査によるとFacebookを除くSNS(Twitte,Instagram,TikTokなど)において、Z世代のSNS利用率はとても高くなっています。特にTwitterは60.6%が利用しており、Instagramも52.1%となっています。SNSにおいては、Z世代にウケないと流行(バズ)らないことを示しています。また、人材の採用においてもSNSに注力することでZ世代の心を掴むことができるのではないでしょうか。
Z世代をさらに理解するためのキーワードが2つあります。
●チル(Chill)=まったり、マイペース
●ミー(Me)=発信欲、承認欲求が強い
この特徴から考える、企業とZ世代の付き合い方には3つのポイントがあります。
①Z世代の「ミー意識を」満たす
Z世代は「ミー意識」が強いので、採用時も入社後もどう「ミー意識」を満たすかで入社意欲や帰属意識が変わる。
(例)頻繁かつ丁寧なフィードバック、多様な社内表彰制度、魅力的なオフィス(映え重視)
②Z世代の「チル意識」を満たす
ワークライフバランスやプライベートな時間が大切なZ世代に対して企業が応援する姿勢を示す。
(例)長期休暇、ボランティア休暇、資格取得休暇、各種福利厚生施策
③企業側からのSNS、Youtubeでの量的・質的発信
Z世代は多くの時間をスマートフォン、パソコンに割いている。SNSやYoutubeでの企業情報の効果的かつ頻繁な発信をすることが重要。
(例)エグゼクティブからの熱いメッセージよりも、身近な若手社員自身による企業情報の発信など
これからの育成は、Z世代の特長を理解し企業側からも向きあう事が必要なのではないでしょうか。
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